海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
相葉先生の結婚の話を聞いて以来、私は眠れない夜が続いていた。


真っ暗な部屋の中、ベッドにもぐって考えていた事は、


『祝福してあげよう』

『やっぱり出来ない』


この繰り返しだった。



私の心の中ではいつまでも決着がつかず、一人になれば自然と涙が込み上げてくる。


そんな時はいつも無理して笑っていた分、我慢せずに思い切り泣いた。


涙が枯れる事はなかった。




確かな事は、“相葉先生が好き”っていう想いだけ。


どうしてこんなにも相葉先生じゃなければならないのか、


どうしてこんな誰かを好きになってしまったのか、


その答えを言葉にする事が出来ないけれど、どうしても、心が相葉先生を求めていた。




相葉先生の結婚が決まる前に、どうしてもっと自分の気持ちと向き合わなかったんだろう。


こんなに相葉先生が好きなのに、どうしてもっと早く行動しなかったんだろう。


こんなに求めている事に、どうして気付けなかったんだろう―…



そんな疑問と後悔は、いつまでも止むことはなかった。
< 292 / 446 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop