海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
後日、二人でささやかな就職祝いをした。
お祝いだったし、楽しく過ごす事だけを考えていた。
前に保留にしたこの先の私達についての話は、お祝いを済ませた後も出来ずにいた。
これ以上言ってはいけない気がしていたから、私から触れる事もなかった。
私はとっくに社会人だけれども、彼はまだ学生であるという事を考えてあげなくちゃならない。
そういう面での心の余裕が違うという事も、
自分の気持ちや都合ばかりを押し付けちゃいけないって事も反省したから…。
大和がよく考えた上で出した答えを、聞かせてもらえる日を待っていた。
ある夜、眠ろうと思ってベッドを整えていると、リビングにいた大和がやってきた。
「さく…。」
呼びかけられて振り返ると、後ろに立っていた大和にゆっくりと抱き締められた。
体中に大和の温もりが伝わり、私も彼の背中に腕を回しながら、
「どうしたの?」
と、問い掛けた。
「俺、考えたんだ。」
「うん。」
私は大和が言おうとしている事が、これからの私達の事なんじゃないかと感じ、背中に回した手で彼が着ているシャツを少しだけ握った。
「やっぱり、一緒に着いてきて欲しい…。」
「…いいの…?」
そんな彼の言葉を、私は確かめずにいられなかった。
本当にそう思って言ってくれたのかもしれないけれど、もしかしたら、私に気を遣って言っているだけなんじゃないかと不安になったからだ。
まるでその不安に応えるように、大和は更にギュッと私を抱き締めた。
お祝いだったし、楽しく過ごす事だけを考えていた。
前に保留にしたこの先の私達についての話は、お祝いを済ませた後も出来ずにいた。
これ以上言ってはいけない気がしていたから、私から触れる事もなかった。
私はとっくに社会人だけれども、彼はまだ学生であるという事を考えてあげなくちゃならない。
そういう面での心の余裕が違うという事も、
自分の気持ちや都合ばかりを押し付けちゃいけないって事も反省したから…。
大和がよく考えた上で出した答えを、聞かせてもらえる日を待っていた。
ある夜、眠ろうと思ってベッドを整えていると、リビングにいた大和がやってきた。
「さく…。」
呼びかけられて振り返ると、後ろに立っていた大和にゆっくりと抱き締められた。
体中に大和の温もりが伝わり、私も彼の背中に腕を回しながら、
「どうしたの?」
と、問い掛けた。
「俺、考えたんだ。」
「うん。」
私は大和が言おうとしている事が、これからの私達の事なんじゃないかと感じ、背中に回した手で彼が着ているシャツを少しだけ握った。
「やっぱり、一緒に着いてきて欲しい…。」
「…いいの…?」
そんな彼の言葉を、私は確かめずにいられなかった。
本当にそう思って言ってくれたのかもしれないけれど、もしかしたら、私に気を遣って言っているだけなんじゃないかと不安になったからだ。
まるでその不安に応えるように、大和は更にギュッと私を抱き締めた。