海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
外に出てすぐ、私は道路脇に停車している大和の車を見つけて駆け寄った。


「お待たせ!待たせちゃってごめんね。」


私は車に乗り込みながら謝ると、大和の顔を見た。

大和は笑顔で、


「お疲れ。初日で疲れたでしょ。」

「うん、少し…。大和もお疲れ様。」


運転席に座る大和は軽く頷くと、


「とりあえず近くのファミレスでいいかな。」


そう言って、停車させていた車を発進させた。



「今日はどうだった?楽しかった?」

「今まで訓練でお世話になった人達ばかりだから、会社の空気には入りやすかったかも。緊張したけど楽しかったよ。」


笑顔で即答した私に、


「そっか。良かったね。」

そう言って、大和は嬉しそうに微笑んだ。



「授業を見させてもらったり、色んな話を聞いたり、沢山勉強になったよ。これから自分に出来るのか少し不安にもなったけど。」


肩をすくめた私に、


「さくなら大丈夫でしょ。頑張るだろうし。」

「うん、頑張るよ!やるしかないもんね。」

「自分の事も含めて、俺もそう思う。」


そんな会話をしている内に到着した、ファミレスの駐車場に車を止めた。


「美味しいものを食べて元気をつけよう!」

「うん!」


笑顔で話しながら店内に入り、案内された席に座った私達は、今日起きた出来事の続きを話した。


今日見たこと、聞いたこと、感じたこと。


伝えたい事が沢山有って、この日は殆ど私が話していたかもしれない。

話している途中、


「今日はごはんの支度が出来てなくてごめんね。」


と、居眠りをした為に夕飯が作れなかった事を大和に詫びると、


「仕方ないよ。気にしなくていいよ。」

そう言って、大和は優しく受け止めてくれた。
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