海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
歩いて5分程の距離にある自分のマンションに到着すると、部屋に入ってすぐにテレビをつけ、簡単な朝食を取った。
顔を洗ったり髪を整えたりと、せわしなく動き回った1時間後、私は昨日と同様にカッチリとしたスーツに身を包んで出勤した。
『もしかしたら大和はまだ眠っているかもしれない。遅刻しなければいいんだけど…。』
地下鉄に乗り込んだ時は、寝坊しがちな大和を気にかける事が出来たけれど、
会社に到着した途端、その心配は頭の中から消え去ってしまった。
2日目も前日と同様、他の講師の授業を見たり書類関係の説明を受けて過ごし、
途中で椎名先生から、
「あなたにお願いがあるの。」
と、話を切り出された。
「何でしょうか?」
私がメモを取っていた手を止めて伺うと、
「実は来月から3ヶ月間の訓練が始まるんだけれど、そのクラスをあなたに任せたいの。」
「私がですか!?」
突然の依頼で目を丸くしている私に、
「そう。その訓練はここの施設とは別の場所で行われるから、殆どの場合、あなた一人の力でやっていく事になる。」
椎名先生は真剣な顔でそう、言い切った。
別の施設で一人で行うという事は、分からない事や確認したい事があったとしても、すぐに助けを求められる環境ではない事を意味していた。
そんな訓練を私に任せようとする椎名先生に、私は驚きと不安で返す言葉が見つけられずにいた。
「入ったばかりのあなたに、酷な事を言ってるのは分かってるの。だけど、あなたなら出来ると思うのよ。」
少しだけ申し訳無さそうな表情を浮かべながら、椎名先生は更に続けた。
「出来る限りのサポートはするから、やってもらえないかしら。」
その問い掛けに、当然、私は迷った。
『まだ授業に立つのもこれからなのに、私に出来るのだろうか。私の知識で生徒さんに満足してもらえるのだろうか…。』
そんな不安で心の中は一杯だったのだけれど
それでも、
『私を信じて任せようとしている、椎名先生の気持ちに応えたい。』
その気持ちの方が勝っていた。
顔を洗ったり髪を整えたりと、せわしなく動き回った1時間後、私は昨日と同様にカッチリとしたスーツに身を包んで出勤した。
『もしかしたら大和はまだ眠っているかもしれない。遅刻しなければいいんだけど…。』
地下鉄に乗り込んだ時は、寝坊しがちな大和を気にかける事が出来たけれど、
会社に到着した途端、その心配は頭の中から消え去ってしまった。
2日目も前日と同様、他の講師の授業を見たり書類関係の説明を受けて過ごし、
途中で椎名先生から、
「あなたにお願いがあるの。」
と、話を切り出された。
「何でしょうか?」
私がメモを取っていた手を止めて伺うと、
「実は来月から3ヶ月間の訓練が始まるんだけれど、そのクラスをあなたに任せたいの。」
「私がですか!?」
突然の依頼で目を丸くしている私に、
「そう。その訓練はここの施設とは別の場所で行われるから、殆どの場合、あなた一人の力でやっていく事になる。」
椎名先生は真剣な顔でそう、言い切った。
別の施設で一人で行うという事は、分からない事や確認したい事があったとしても、すぐに助けを求められる環境ではない事を意味していた。
そんな訓練を私に任せようとする椎名先生に、私は驚きと不安で返す言葉が見つけられずにいた。
「入ったばかりのあなたに、酷な事を言ってるのは分かってるの。だけど、あなたなら出来ると思うのよ。」
少しだけ申し訳無さそうな表情を浮かべながら、椎名先生は更に続けた。
「出来る限りのサポートはするから、やってもらえないかしら。」
その問い掛けに、当然、私は迷った。
『まだ授業に立つのもこれからなのに、私に出来るのだろうか。私の知識で生徒さんに満足してもらえるのだろうか…。』
そんな不安で心の中は一杯だったのだけれど
それでも、
『私を信じて任せようとしている、椎名先生の気持ちに応えたい。』
その気持ちの方が勝っていた。