海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
「ありがとうございます。でももう、ああいう事はないと思う。ビックリしちゃった、本当に。」


私は胸を手で押さえて“驚いた”っていうジェスチャーをした。


相葉先生はずっと心配していたけれど、申し訳無いくらい、今の私はこうして先生と並んで歩いている事に喜びを感じていた。


嫌な出来事を吹き飛ばす位、私にとって相葉先生の存在は大きくなっていて、先生の言葉一つ、態度一つで、とても幸せな気持ちになれた。


私にとって相葉先生は、やっぱり特別だった。


「まぁ、目立つ行動は程々にな。」

相葉先生の言う“目立つ行動を程々にする”という言葉が、先生に会いにパソコン教室に行く回数を減らすという意味のように感じながら、


「うーん、特別何もしていないけど、気をつけます。」

私がそう言うと


「ん。あっ、友達待ってるぞ。」

そう言って、相葉先生はロビーにあるソファの方へと視線を向けた。
< 38 / 446 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop