海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
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―――――…

あの日…

大和と別れたあの日から、何度目かの秋を迎えた。



私は26歳。


大和との約束通り、私は仕事に没頭し、パソコン講師としての経験を積んできた。


担当する授業も増えたし、会社の為に資格も取った。



“頑張らなくちゃいけない”


それは、あの日から無意識の内に抱えていた思いだった。


努力しなければ、大和と別れた意味がなくなってしまうから。


その気持ちをバネにして、私なりに精一杯やってきた数年間だった。



私達が別れた1年後、大和は会社の異動で住んでいたマンションを引き払った。


それを知ったのは、大和が引っ越してから随分経ってからの事だった。



「元気?」

ある日、引っ越した事を伝える為に大和が電話をくれたのだ。



『何かあったら力になるから。』


最後に自分が言ったその言葉が決して無効にならないように、わざわざ連絡をくれたのだろう。


私に連絡すべきか随分悩んだという事は、大和が引っ越してから連絡が来るまでの、その月日の長さが物語っていた。


それでも、大和がずっと気にかけてくれていた事は十分すぎる程伝わっていた。


伝わっていたのは、私も同じ気持ちだったからかもしれない。
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