海に降る恋 〜先生と私のｷｾｷ〜

そんな不安定な私だったけれど、一つだけ、確信を持って言える事があった。


それは、

“今の私はあの頃の私とは違う”

という事だ。


相葉先生への恋が終わった後、

良くも悪くも、その時のように恋に没頭しなくなった自分に変わったんだと思っていた。



だからこそ大和と別れた時も、

“別れたくない”

と縋りつく事無く、



「…分かったよ…。」

そう、すんなり受け入れる事が出来たんじゃないかって思う。



『きっと大丈夫。』


気持ちを強く持つ事だけを考え、私は何度も心の中でこの言葉を繰り返していた。



揺れ動き続ける心を胸に抱えて、


私は翌月から不在になる事を生徒さんに伝え、


担当している生徒さん達の状況を他の講師に引き継いだり、


両親に３ヶ月間だけ実家に戻る事を伝えて、荷物をまとめてみたり―…


そうやって慌しく過ごす内に、予想通りの早さで訪問予定の金曜日がやってきたのだった―…