海に降る恋 〜先生と私のｷｾｷ〜

「では、来月から宜しくお願いします。」


出向前の最後の一日が終えた時に、私は椎名先生と教室長、同僚達に挨拶をした。


それは自分が不在になる間、残りのスタッフに私の穴を埋めてもらうのだから、当然の事だった。


「河原先生も頑張って下さいね。」

同僚である他の講師達に励まされ、


「頑張ってきます。皆さんも頑張って下さい。」

そう言って、私は頭を下げた。



「河原先生、３ヶ月間よろしく。」

「あなたならきっとうまくいくわ。体を大切にして、頑張ってね。」


そう、教室長と椎名先生から声を掛けられた後、近付いてきた椎名先生が私の両手を握った。


「困った事があったらいつでも連絡するのよ？無理はしない事。いいわね？」

「はい、分かりました。お気遣いありがとうございます。」


椎名先生の心遣いに、私は笑顔で頷いた。



「では、頑張ってきます！」


この日の私は明るく、精一杯の笑顔で会社を後にした。



明日には地元に帰る。


運良く休日だった。


そして休日明けからは、相葉先生との日々が始まる。


３ヶ月間限定の相葉先生との日々が―…