海に降る恋 〜先生と私のｷｾｷ〜
月曜日の朝―…


私は寝不足状態でボーッとしながらも、一晩中悩み続けた疑問の答えをハッキリさせるつもりで登校した。


そして校舎の前に停められた、先生方の車の中でみつけた大崎先生の車は


やっぱり、相葉先生のアパートの前で見た車と同じだった。


間違いであって欲しかった。


ナンバーはうっかり見落としてしまったけれど、車種も同じだし、中に置かれているぬいぐるみまで同じ。


私が見た車は大崎先生の車だと確信していた。



“相葉先生と大崎先生は付き合ってるんじゃないか”



新たに生まれた疑惑によって、また嫌な気持ちになる。


どうしてこう、次から次へと色んな事が起こるんだろう。


そう思うと授業にも集中できず、嫌でも溜息が出てくる。


結局この日は、朝からずっとこんな調子だった。



「ねぇ、瑞穂、梢…。」

「ん？」


どこか言いにくそうな雰囲気で話し始めた私に、二人はお菓子を摘みながら返事をした。


内心『自分が見た事を言っていいものか…。』と迷いつつも、瑞穂と梢にだけはどうしても相談したくて打ち明けた。


「この前、相葉先生のアパートの前に、大崎先生の車が停まってるのを見ちゃったんだよね…。」

「えっ？」


二人は驚いた顔をして身を乗り出した。


「相葉先生の車は無くって、大崎先生の車だけが停まってたの。」

「…。」


瑞穂も梢も無言で私を見つめている。


「もしかしたら、あの二人って付き合ってるのかもしれない…。」


私のその一言に瑞穂は、


「けど、それはまだ分からないんでしょ？」

と、真剣な表情で聞いてきた。


私は瑞穂の質問に頷きながら、


「本人に確認したわけじゃないし、１度見ただけだけど…。」


そう答えると、３人とも口をつぐんだ。
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