海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
「先生!」


相葉先生の隣に駆け寄って声をかけると、先生は私達を見て


「いっぱい買ったなぁ。」

と笑った。


「だって可愛いんだもん!」


特別、キャラ物が好きな訳ではないのに、こんなに買ってしまったのは、ここの空気に飲まれていたのかもしれない。


それとも、ディズニーランドっていう場所には、何か特別なパワーがあるのだろうか。


だとしたら、この時の私には、その特別なパワーが少しだけ宿っていたのかもしれない―…


パレードを待つ人の壁は厚く、私達はあっという間に見知らぬお客さんの中に埋もれていった。


梢と瑞穂は私に気を遣ったのか、1m程離れた所で見物していて、まるで、相葉先生と二人きりで来ている様な感じがした。


『これがデートだったらどんなに幸せだろう。』


そう思わずにはいられなかった。


煌びやかで可愛らしいパレードが始まり、色んなキャラクター達が可愛らしく振舞うのを眺めながら


「可愛い!」


私は華やかさとキャラクターの可愛らしさに、何度も何度も「可愛い!」と「きれい!」を連発していた。


そんな私の様子を相葉先生は見ていたのだろう。


「女の子は好きだよなぁ、こういうの。」

と、クスクス笑っている。


「そりゃそうだよ!可愛いもん!」


そう答えた私の瞳は、きっとキラキラしていただろう。


ミッキーやミニーちゃんの装飾よりもキラキラしていた自信がある。


可愛い物もキラキラした物も、


『相葉先生と一緒に見てるから、とても幸せな気持ちなんだよ。』


そう、思ってたから…。
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