海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
パレードが終わる頃、私は相葉先生のジャケットから手を離した。
垣根のようにになっていた人だかりが、様々に散っていくその一つの流れに乗って、瑞穂と梢も私の方に近寄ってきた。
すると相葉先生は、
「集合時間に遅れるなよ。」
そう言って微笑むと、私達に背を向けてその場を離れていった。
「じゃあ、行こっか。」
相葉先生を肩越しに見送りながら私達もその場を離れ、園内で済ませる事になっていた夕飯を食べに、目に留まったレストランに入った。
メニューを見ながらも、頭の中では相葉先生の事ばかり考えていた。
思い返すのは、幸せな事と疑問。
先生と並んでパレードを見た事が幸せで、
そんな幸せ気分の反面、
“私の告白は無かった事にされたのかな”
“きちんと伝わったのかな”
という、疑問が浮かび上がる。
『せっかく嬉しい事があったんだから悩むのはやめよう。』
疑問を心の隅に押し込めて、この旅行で一番ゴージャスな食事をいただいた。
食事を終えてお店を出ると外は完全に暗くなっていて、私達は集合場所に行き、バスに乗り込んだ。
私は窓際の席に座り、少ししてからバスは走り出した。
しばらく走り続けて、途中、窓から見えてきたものは、
夜の空にキラキラと美しく輝く東京タワー。
ガイドさんの紹介を聞きながら、みんなと同様に私も釘付けになっていた。
だけどみんなと違ったのは、
私だけが東京タワーを見つめて、自然と涙がこぼれていた事。
なぜか分からない。
けれど、とっても切なくて、幸せな気持ちで…
言葉では言い表せないような、切なくて温かい気持ちだった。
止め処なく溢れるように、そんな気持ちが込み上げていたんだ。
ほんの少しでも、私に幸せなひと時を与えられたからだろうか。
分からない。
分からないけれど、止まらなかった。
そして私は、周りに気付かれないようにそっと涙を拭った。
垣根のようにになっていた人だかりが、様々に散っていくその一つの流れに乗って、瑞穂と梢も私の方に近寄ってきた。
すると相葉先生は、
「集合時間に遅れるなよ。」
そう言って微笑むと、私達に背を向けてその場を離れていった。
「じゃあ、行こっか。」
相葉先生を肩越しに見送りながら私達もその場を離れ、園内で済ませる事になっていた夕飯を食べに、目に留まったレストランに入った。
メニューを見ながらも、頭の中では相葉先生の事ばかり考えていた。
思い返すのは、幸せな事と疑問。
先生と並んでパレードを見た事が幸せで、
そんな幸せ気分の反面、
“私の告白は無かった事にされたのかな”
“きちんと伝わったのかな”
という、疑問が浮かび上がる。
『せっかく嬉しい事があったんだから悩むのはやめよう。』
疑問を心の隅に押し込めて、この旅行で一番ゴージャスな食事をいただいた。
食事を終えてお店を出ると外は完全に暗くなっていて、私達は集合場所に行き、バスに乗り込んだ。
私は窓際の席に座り、少ししてからバスは走り出した。
しばらく走り続けて、途中、窓から見えてきたものは、
夜の空にキラキラと美しく輝く東京タワー。
ガイドさんの紹介を聞きながら、みんなと同様に私も釘付けになっていた。
だけどみんなと違ったのは、
私だけが東京タワーを見つめて、自然と涙がこぼれていた事。
なぜか分からない。
けれど、とっても切なくて、幸せな気持ちで…
言葉では言い表せないような、切なくて温かい気持ちだった。
止め処なく溢れるように、そんな気持ちが込み上げていたんだ。
ほんの少しでも、私に幸せなひと時を与えられたからだろうか。
分からない。
分からないけれど、止まらなかった。
そして私は、周りに気付かれないようにそっと涙を拭った。