To be alive again

「ねー、先生?」

「ん?」

テレビの中では、校長室に相手の教師が駆け込んできて、校長・教頭に直談判している。
事情は全て自分が話したのに、何故彼を呼び出す必要があるのかと叫んでいた。

「なに?」

真一郎を呼んだものの、続きを言うのをためらっていた。
卒業当時、翠が18歳で、真一郎が30歳だったはず。
12歳差なのは変わらないのに、なんだか今よりも年齢差を感じる気がした。
やっぱり子供に…見えてたのかな…。
卒業式の手紙に、あの頃ちゃんと返事をくれなかったのは…私が子供だったからなのかな…。

そう思うと、ますます続きを言えなくなった。

「なんだよ?」

「やっぱいい!」

画面の中から女教師の声が聞こえた。
 『終わりにしよう』
ここで、今週の放送は終わったらしく、CMへと切り替わった。
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