To be alive again

「微妙だよな、高校生は。
新卒の教師だと、歳も5、6歳しか変わらないから
駄目っつわれても恋愛対象になっちゃうだろ」

翠は言われて初めて、新卒の教師が自分と同い年になることに気がついた。
案外大人じゃないのだ、と。

「身体は殆ど大人になってて、本人たちも大人と大差ないつもりで居て、だけどやっぱりまだ子供で。
まぁ、お前はどうにも生徒に見えなくて困ったけど」

「そう、なの?」

教師と生徒、絶対的なその関係だったのだと思っていたのに。

「お前、俺んとこでどんだけ男の話してたと思ってんだ」

「…」

そういえば…そうでした。と翠は気まずくなって見上げていた真一郎から目を逸らした。
先輩の事で散々泣いたのはもちろん、渡辺君の事にいたっては全てが真一郎には筒抜けだったのを今更思い出す。
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