To be alive again
「お前、懐いてくれてて可愛かったしな」
よしよしと頭をなでてくれる手に、胸がきゅうっと締め付けられる。
「ほんとは、担任に報告しなきゃいけなかったはずだったんだよ。
お前の事」
学校で起こった問題だから、と。
考えたことも無かったその言葉に、ドクンと心臓が嫌な音を立てて、思わず真一郎を見上げた。
思い浮かんだのは、一年生の時の狸みたいなお腹の中年教師。
言ったの?
あの担任に?
私が…放課後の学校で何をされたか話したの?
声に出すのが、怖かった。
あのことを真一郎以外の人間が知ってるなんて、考えたことも無かった。