To be alive again
…どうしよう。
そっくりだ。
口論というか、それこそ姉弟ならではの口喧嘩を真一郎と繰り広げる渚は、翠が高校生の頃の真一郎と凄く、そっくりだった。
つまり、似たもの姉弟ということだろう。
…先生がお姉さん苦手なのは…自分と似てるから?
だとしたら、翠は渚を好きなはずだ。
だって、真一郎の事が好きだから。
「面白いでしょ?あいつら」
そう言って翠の前にご飯とお味噌汁、そして肉じゃがに小鉢と家庭的な定食を出してくれたのは、健介だった。
「20年前からあんなだから、ほっといて大丈夫だよ」
20年前、翠は…20年前には3歳、真一郎は…15歳だ。
その頃既に中学生だったのか、と傍らの恋人を見て少し寂しい気持ちになる。
大人になったのに…いつまでも追いつけない気がしてしまう。