Only Three Months
“部屋の外から、マイクの遊んでいる声が聞こえる。
エドも一緒にいるな。
子どもたちの成長を、ずっとそばで見ていたかった”
父親は、オレたちのそばにいたかったんだ。
…自分の子どもから離れたいと思う人はいないか。
“姉を除いて、城に居る人間を信用していたから、毒味もしていなかったのだ。
きっと、姉が盛ったのであろう。
私のところに置かれる食事は、皆と同じ。
給仕の順番を把握でき、また料理に意見を言っても違和感のない、
料理係や給仕係に対して権威のある人間だった”
もし、毒味をしていたら、毒味をし続けた人が亡くなったんだろう。
それを父親が望むとは思えないけど。
日記の中の父親しか知らなくても、そう思えた。
“マイクが生を受けた日に、私の命が散ってしまうことなど、あってほしくない。
そんな願いを聞き入れてくれるのだろうか…
マイクに直接伝えたいことは、すでに手紙に記し信頼できる人間に手渡してある。
最後に…
マイクの健康と安全を願う”
父親が必死でこれを書いた日も、オレはいつもと変わらず遊んでいたんだ。
この頃のオレは、何か感じていたんだろうか。
大人たちの異変に気付けるほどの年齢ではなかったかもしれないけど。
日記によると、この頃のオレは父親と会えないのが普通だったみたいだ。
父親が亡くなった瞬間にも、立ち会えてはいないんだろう。
そういう記憶が、全くないから。
思い出されてこないから。
「…読み切ったね」
「少し、父親のことが分かった気がする。
オレのことしか考えてない、いい父親だった」
「…マイク」
「もっと、両親の記憶が欲しかった」
それが、オレが日記を読み切った感想だった。
エドも一緒にいるな。
子どもたちの成長を、ずっとそばで見ていたかった”
父親は、オレたちのそばにいたかったんだ。
…自分の子どもから離れたいと思う人はいないか。
“姉を除いて、城に居る人間を信用していたから、毒味もしていなかったのだ。
きっと、姉が盛ったのであろう。
私のところに置かれる食事は、皆と同じ。
給仕の順番を把握でき、また料理に意見を言っても違和感のない、
料理係や給仕係に対して権威のある人間だった”
もし、毒味をしていたら、毒味をし続けた人が亡くなったんだろう。
それを父親が望むとは思えないけど。
日記の中の父親しか知らなくても、そう思えた。
“マイクが生を受けた日に、私の命が散ってしまうことなど、あってほしくない。
そんな願いを聞き入れてくれるのだろうか…
マイクに直接伝えたいことは、すでに手紙に記し信頼できる人間に手渡してある。
最後に…
マイクの健康と安全を願う”
父親が必死でこれを書いた日も、オレはいつもと変わらず遊んでいたんだ。
この頃のオレは、何か感じていたんだろうか。
大人たちの異変に気付けるほどの年齢ではなかったかもしれないけど。
日記によると、この頃のオレは父親と会えないのが普通だったみたいだ。
父親が亡くなった瞬間にも、立ち会えてはいないんだろう。
そういう記憶が、全くないから。
思い出されてこないから。
「…読み切ったね」
「少し、父親のことが分かった気がする。
オレのことしか考えてない、いい父親だった」
「…マイク」
「もっと、両親の記憶が欲しかった」
それが、オレが日記を読み切った感想だった。