Only Three Months

「当時から、ヴィクトリア国王の言動はとても国王とは思えなかった。
　アリーの教育に関しても、隣国として不安があったんだ。
　実際、アリーから話を聞いて知っているとは思うが、アリーのしたいように勉強はできていなかった」


オレはまたうなずいた。
アリーの庶民への理解、人への気遣いは、国王から得られるものではない。
アリーが自分で取ろうとした庶民学も、国王に反対されてるんだ。

…サーは、なんでアリーと連絡を取れたんだ？
その話も、これから聞けるのか？


「ヴィクトリア国王は、マイクとエドをアリーに会わせるのも嫌った。
　アリーにとっては、マイクとエドが唯一の同年代だったんだ。
　ヴィクトリアの中に、この年代はいなかったから。
　それでも、ヴィクトリア国王は引き離した」
「オレたちと仲が悪かったとか、そういう理由なしで？」
「そうだ。
　むしろ仲は良かったのに、引き離した」


…酷い話だ。
オレの記憶にアリーが残っててもおかしくなかったのに、覚えていなかった。
それは、物心つく頃にはもう会えなくなっていたから。


「だから、私はアルバート王国が亡くなってからも王妃と連絡と取った。
　アリーをアルバート城へ連れてくるとこはできないかと。
　将来のヴィクトリアに賭けるために」


…アリーの感覚は、サーと王妃が身につけさせたもの。
テレビとかで見る国王からは全く感じられないもの。

オレと出会った理由も、運命で決まってたんじゃないかって。
オレらしくないことを思ってしまえるくらい。


「話が逸れてしまった。
　ダンが亡くなったときの話だったな」


別に、そこにこだわりはない。
日記からは知れなかった事情を知りたいだけだ。