Only Three Months
「明日、ふたりが城に現れたら、きっとアリーが何かしらの反応をするだろう。
 そこで、アリーの庶民生活を話すんだ。
 私の予想では、国王が発言を認めない。
 内容ではなく、発言自体をだ。
 国王とアリーが口論となり、国王の本当の姿が表に出さえすればいい」


…つまりサーは国王の本当の姿を公にして、失脚させようと?
アリーの経験をオレが話して、アリーを立てようと?

オレにそんな大役が務まるのだろうか。
ヴィクトリアの要人たちの前で、いきなり話さないといけない。
犯罪者なオレが。


「…マイク」


エドが口を開いた。


「アリーは、きっと自分でもなんとかしようとしてるよ。
 庶民学校で強くなってるはずだもん。
 マイクが不安に思ってても、アリーが助けてくれるよ」


そう言われると、そうな気がする。
アリーなら、オレを助けてくれるはず。

ただ、オレは王族の誘拐の罪がもうすぐ確定する。
ヴィクトリア城は警備もあるし、そんなところへ行っていいのだろうか。
人の多いところへ行って大丈夫だろうか。

…オレが何を考えても、もう大人たちが処理していることだろう。
アリーの姿を見られる。
それを楽しみにしよう。

オレが顔を上げると、そのタイミングを待っていたかのように、全員がオレを見ていた。


「多少は整理がついたか?」


一応、うなずく。
誰もオレがこの状況を全部理解しているとは思ってないだろう。


「それで、アリシアは実際庶民学校でどう過ごしてたんだ?」
「庶民のマイクと一緒に、どんな生活をしてた?」


貴族たちに聞かれて、アリーのことを思い出す。
アリーはオレと一緒に居る間、何をしていた?
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