Only Three Months
「…貴族学校で学んでいた庶民学の知識を深めていたんだと思います。
 庶民学を取ることに関して、国王から反対されたことも聞きました。
 料理や掃除も積極的に手伝ってくれました」
「他には何かないか?
 何か、国王の本性を導けるような話は」


少し考えてみる。
アリーは、何でもひとりでしてた。
オレに頼ってくることはほとんどなかった。


「ひとりでできることはひとりでしてました。
 僕を使用人扱いしなかったというか」


アリーは、普通に庶民として暮らしていた。
オレに指図することもなかった。
アリーは王族で、オレは庶民だったのに。

アリーは城で生活してるときも、使用人に命令しないのかもしれない。
自分でできることは自分でしているのかもしれない。


「きっとそういうところが、僕の意識を変えたんだと思います。
 王族が嫌いだったのに、もっと知りたいと思ったんです」


本当に、嫌いだった。
正確には、国民のことを全く考えていない国王が嫌い。
アリーに会って、考えが変わった。


「サー、明日話すことを僕たちが考える必要はなさそうだよ」
「そうだな。
 マイク、エドも、そういった話を思い出しておいてくれ」
「…はい」


要は、国王の本性を暴けたらいい。
アリーの庶民での生活を、ヴィクトリアの貴族の前で話す。
それが、国王にとっては不利なこと。
国王は、庶民のことを全く考えない人だから。

上手く話せるかなんて、考えても仕方ない。
アリーの前で、アリーのことを話す。
それだけだ。
当たって、砕けろ。


ベットに潜っても、明日のことを考えてしまう。
国王に何を言われても、オレはひるまずにできる限りのことをしないといけない。
アリーをかくまっていた犯罪者だから、その場で捕まってもおかしくない。
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