Only Three Months
「…アリー、いいの?
こんな大勢の人の前で」
オレの腕の中で、アリーがゆっくり頷いたのを感じた。
深呼吸をする。
アリーは、この国のために話して欲しいと思ってるんだ。
父親である国王が、間違ってるって知ってるから。
「…僕がアリシア姫に初めてお会いしたのは、庶民学校で開かれた交流会のときです。
姫様のダンスのお相手として、一緒に踊ったんです」
王妃を見ながら話す。
国王を見たって、何も味方してくれないし、むしろ敵。
「私は今まで、そんなに誰かにすがっているアリシアを見たことがないの。
だから、あなたの知っているアリシアの姿を話してくれたらいいのよ」
「…ありがとうございます」
アリーが、オレの手を握ってきた。
その手を、表情を見ずに握り返した。
王妃にもそれは見えているはずだ。
「交流会でアリシア姫に会うまで、王族が嫌いでした。
国民のことなんて考えない、自分たちの利益だけを求めているような気がして。
国民に対して、威張っているイメージしかなかったんです」
王妃がオレの話を真剣に聞いてくれているせいだろう。
貴族たちも何も言わない。
オレの声だけが、ホールに響く。
「でも姫様と踊って、王族の印象が変わりました。
姫様が、僕の思っていた王族とは異なっていたんです。
もっと親しみやすくて、国民のことを考えていました」
アリーがみんなに聞かれたくない話に近づいていく。
手を握ると、握り返してくる。
それを感じて、話を進める。
「交流会が終わって、もう直接姫様に会うことはないと思っていました」
だんだん、感情が乗っていくのが自分でも分かる。
言葉を選ぶ余裕がなくなっていく。
アリーが少しでも楽に聞ける言い方だけは、意識する。
こんな大勢の人の前で」
オレの腕の中で、アリーがゆっくり頷いたのを感じた。
深呼吸をする。
アリーは、この国のために話して欲しいと思ってるんだ。
父親である国王が、間違ってるって知ってるから。
「…僕がアリシア姫に初めてお会いしたのは、庶民学校で開かれた交流会のときです。
姫様のダンスのお相手として、一緒に踊ったんです」
王妃を見ながら話す。
国王を見たって、何も味方してくれないし、むしろ敵。
「私は今まで、そんなに誰かにすがっているアリシアを見たことがないの。
だから、あなたの知っているアリシアの姿を話してくれたらいいのよ」
「…ありがとうございます」
アリーが、オレの手を握ってきた。
その手を、表情を見ずに握り返した。
王妃にもそれは見えているはずだ。
「交流会でアリシア姫に会うまで、王族が嫌いでした。
国民のことなんて考えない、自分たちの利益だけを求めているような気がして。
国民に対して、威張っているイメージしかなかったんです」
王妃がオレの話を真剣に聞いてくれているせいだろう。
貴族たちも何も言わない。
オレの声だけが、ホールに響く。
「でも姫様と踊って、王族の印象が変わりました。
姫様が、僕の思っていた王族とは異なっていたんです。
もっと親しみやすくて、国民のことを考えていました」
アリーがみんなに聞かれたくない話に近づいていく。
手を握ると、握り返してくる。
それを感じて、話を進める。
「交流会が終わって、もう直接姫様に会うことはないと思っていました」
だんだん、感情が乗っていくのが自分でも分かる。
言葉を選ぶ余裕がなくなっていく。
アリーが少しでも楽に聞ける言い方だけは、意識する。