Only Three Months
「国王と世話係、その他執事も含めて牢獄へ」
「かしこまりました、王妃様」
「待て、本気でこの庶民の言葉を信じるのか?」
「アリーが本当のことだと言ったので」


衛兵に腕を捕まれるも、抵抗する国王。
すごく、無様だった。


「私はこの国の王だ。
 国王が牢獄へ入ることが許されるとでも思うのか」
「許されるでしょう。
 あなたの感覚が常識から外れていることなど、誰にでも分かることです」


衛兵たちが、国王と世話係らしき人、それから交流会のときに見た執事を拘束した。
この衛兵たちは、王妃の味方なんだろう。
そうでなければ、国王を捕らえるなんてできないだろうから。
国王は相変わらず反抗しているが、衛兵たちは耳を貸さない。

世話係らしき人は、明らかに年上だった。
オレの中のかっこいい男のイメージはエドだけど、似ても似つかない。
一国の姫の世話係って、見た目関係ないのかって思うくらい。
あの世話係の一族は城への出入りが禁止になるはず。


「…アリー」


王妃がアリーを呼んだ。
繋いでいた手を前に出して、アリーに王妃の元へ行くように促した。

アリーが離れてから、エドの隣に片膝で座る。
そのときに、オレがやったことの実感が押し寄せてきた。
国を変えるようなことをやったんだ。
一国の国王を投獄することになった。


「マイク、かっこよかったよ」
「うん」


エドの言葉に、返す言葉がなかったんだ。
アリーの敵だった国王がいなくなった今、オレはどうするべきなんだろう。
今ここで、オレができることはもうないはず。

王妃がアリーを抱きしめて、背中をさすっている。
あるべき親子の姿なんだろう。

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