Only Three Months
「あの方をあなたより長い時間、近くで見てきた私も、舐められたものですね」


王妃のその言葉が合図になった。
衛兵たちが、叔母を連れて消えていった。


「さて、これで邪魔者はいなくなったわ。
 みなさんには、もう少し私たちのお話にお付き合いいただきましょう」


王妃の言葉が一気に砕ける。
気を張らなくてもよくなったんだ。

アリーと王妃が見合わせて、王妃がうなづく。
アリーが、王座から駆け下りて、オレに抱き着いてくる。
慌てて立って支える。


「…マイク、聞いて。
 公にされてない事情があってね」


オレに話してるけど、ホールが静かすぎてみんなに聞こえてる気がする。


「私、お見合いが控えてるの。
 あの人が組んだ、政略結婚。
 城に戻ってきてすぐ、言われたわ」


アリーは、それをオレに言ってどうしたいんだろう。
外交の関係もあるから、政略結婚はよくある話。
オレとの関係を終わらせるって感じのいい方ではないし…。


「政略結婚のお見合いって、ただの顔合わせで、相手のことなんて全然分からないの。
 しかも、そのまま結婚が決まってしまうのが通例なの」
「うん」


アリーがどうしたいのかが見えてこなくて、とりあえずうなづいた。


「…私が補足しましょう。
 マイク、と呼んでもいいかしら?」
「はい、光栄です」


王妃の声が聞こえて、驚いてしまう。
ふたりは、オレに何を考えさせようとしてる?
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