Only Three Months
いつも以上に長く感じた授業を終えて、エドと一緒に帰る。
やたらと、エドがオレを見てくる。


「何だよ」
「いや、いつもと違うから」
「そうか?」


エドには気付かれるよな。
絶対、エドには話すことになるんだ。
今はまだ話さないけど。


「交流会の後、ホントに何もなかったの?」
「別に何も」


納得いってない顔。
そうだろうな。
話せるようになったら話すから。


「…何かあるならいつでも聞くからね」
「どうも」


エドって、知りたがりなミーハーなのに、ちゃんと引いてくれる。
オレがまだ話したくないってのを、感じてくれたのか?


「また明日」
「ああ」


オレの家はまだ先にある。
エドの家が見えなくなってから、走り出す。

ドアを開けて、姫を捜す。
すぐには姿が見えなくて、部屋を進む。


「姫!」
「マイ…」


姫を見つけて、身体が動いてしまっていた。
手を引いて、腕の中に収める。


「…マイク、痛いよ」
「ごめん」


姫がちゃんと家にいて、安心した。
学校でも頭から離れなくて、ずっと心配してたから。

シャワーを浴びてスウェットに着替える。
その間に、姫がアップルティーを淹れてくれた。
オレが淹れるのを見て、覚えたんだろうな。
そんな難しいことじゃないし。


「ありがとう」
「どういたしまして」


オレが思ってたより、普通な姫。
姫は、今の状況を分かってるのか?


「姫、軍隊出たって」
「私を探すのに?」
「ニュース見てない?」


ベットに隣同士で腰かけて、テレビをつける。
オレの予想通り、姫の捜索のニュースが流れてた。
きっとどのチャンネルにしても、一緒だろう。


「番組予定を変更してお送りしております。
 ヴィクトリア王国の姫様であるアリシア・バイオレット様が、
 昨日より行方が分からなくなっている事件について、
 専門家の方に解説していただきます」


テレビから流れてくるニュースの疑問点。
オレも姫も、一緒だった。


「昨日から?」
「正確には一昨日の夜から城にはいなかった。
 あの夜、次の日に捜索って言ってて、昨日私がいなかったから、
 昨日から私の所在が分からないってことになってるのね」

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