Only Three Months
こういう状況のときの電話って、軍が盗聴することもあるらしい。
今は、“姫”がいない非常事態だから。
でも、アルバートにかける分には除外だったはず。
アルバート関係者の番号を知ってる時点で、
軍から要注意対象として監視下にあるはずだから。
これも、何かの授業で習った。
「…もしもし、サー、私よ」
「アリシア、アリシアなのか?」
「ええ、私よ」
驚いてる電話の相手は、若くはなさそうだ。
声のトーンでの判断だけど。
「今どこにいるんだい?
急に城からいなくなったと聞いているが。
心配していたところだ」
「ごめんなさい。
信じられる人と一緒にいるの」
アリーがオレを見ながらそう言った。
嬉しい言葉。
「口ぶりからして、そこを離れる気はないんだな?」
「ないわ」
「一緒に居てくれる人はそばにいるのか?」
「ええ、一緒に聞いてくれてるわ」
「そうか、話がしたいのだが」
アリーが、携帯をオレに向ける。
「初めまして」
「男性なのか、てっきり女性だと思ったが」
「サー」
このアルバートの男性の言う通りだろう。
普通、男女で一緒に寝泊まりするってないことだし。
「すまない。
ジャクソン・リリーだ」
「え」
「アリーにはサーと呼ばれている。
よろしく」
少し驚いて、言葉が一瞬出なかった。
リリー姓だと?
「…マイケル・リリーです。
マイクと呼んでください」
「リリー姓なのか、珍しい」
「僕も今そう思ったところです」
今まで、リリーって名字がかぶったことがなかった。
マイケルって名前はよくかぶるけど。
叔母がリリー姓だから、庶民階級で見ないだけかと思ってたら、
まさかアルバート城の住人がリリー姓とは。
「アリーとはどうやって知り合ったんだ?」
すべてを話していいのか迷った。
アリーが頷いたから、端的に話す。
交流会で踊ったこと。
その日の夜にアリーを家に連れてきたこと。
城には帰せないと思って、今一緒に住んでること。
アリーは特に、補足してこなかった。
今は、“姫”がいない非常事態だから。
でも、アルバートにかける分には除外だったはず。
アルバート関係者の番号を知ってる時点で、
軍から要注意対象として監視下にあるはずだから。
これも、何かの授業で習った。
「…もしもし、サー、私よ」
「アリシア、アリシアなのか?」
「ええ、私よ」
驚いてる電話の相手は、若くはなさそうだ。
声のトーンでの判断だけど。
「今どこにいるんだい?
急に城からいなくなったと聞いているが。
心配していたところだ」
「ごめんなさい。
信じられる人と一緒にいるの」
アリーがオレを見ながらそう言った。
嬉しい言葉。
「口ぶりからして、そこを離れる気はないんだな?」
「ないわ」
「一緒に居てくれる人はそばにいるのか?」
「ええ、一緒に聞いてくれてるわ」
「そうか、話がしたいのだが」
アリーが、携帯をオレに向ける。
「初めまして」
「男性なのか、てっきり女性だと思ったが」
「サー」
このアルバートの男性の言う通りだろう。
普通、男女で一緒に寝泊まりするってないことだし。
「すまない。
ジャクソン・リリーだ」
「え」
「アリーにはサーと呼ばれている。
よろしく」
少し驚いて、言葉が一瞬出なかった。
リリー姓だと?
「…マイケル・リリーです。
マイクと呼んでください」
「リリー姓なのか、珍しい」
「僕も今そう思ったところです」
今まで、リリーって名字がかぶったことがなかった。
マイケルって名前はよくかぶるけど。
叔母がリリー姓だから、庶民階級で見ないだけかと思ってたら、
まさかアルバート城の住人がリリー姓とは。
「アリーとはどうやって知り合ったんだ?」
すべてを話していいのか迷った。
アリーが頷いたから、端的に話す。
交流会で踊ったこと。
その日の夜にアリーを家に連れてきたこと。
城には帰せないと思って、今一緒に住んでること。
アリーは特に、補足してこなかった。