Only Three Months
「マイク、気にしないでね」
「誰が気にするって言った?」
「大丈夫そうで安心した」


エドが気遣ってくれる。
交流会で踊ってから、オレへのクラスメイトの当たりは少し強くなってて。

エドも、ずっとオレのこと変わったって言い続けてて。
その理由を、上手くアリスとつなげてくれたらいいけど。
アリスが来る準備をしてたから、前とは違う様子になったとか。


「アリスの席はマイクの隣で」
「はい」


アリスが席に着いて、SHRが終わった。
担任の話が終わって、普通ならアリスが質問攻めに遭うところだろう。
こんな美人が転入生なんだから。

でも、誰も話しかけようとしない。
オレが関わってるからか。
…いや、違う。


「…一体なんなのかしら。
 あのマイクがこんな可愛い子と一緒に暮らすなんて」


クラスを仕切ってると思ってる、オレの嫌いなぶりっ子女。
その取り巻きもオレを見てくる。

アリスは、不思議そうな目でその集団を見てる。
庶民学校って、こういうとこなんだよ。


「アリスだっけ。
 マイクがどんな扱い受けてるか知ってるの?」
「え?」


アリス、そんな目でオレを見ないで。
気にしないでって言いたいけど、オレが言っても逆効果。
この女たちを、挑発するようなもの。


「知ったら、きっとマイクと一緒に居る気は起きないわよ」
「何のこと?」
「アリス、気にしないで」


エドからの助け舟。
オレが何も反抗しないから、言ってくれたんだろう。


「エド、マイクをかばうの」
「うん」
「なんで?
 だいたいエドがマイクと一緒にいることもおかしい」
「誰と居ようとオレの勝手だしね」


事を大きくしないように、気を付けて。
目立たないように、場を収めたい。
アリスがいてもいなくても、それは昔からで。


「そういえば、マイク、叔母様は?」
「別に。今まで通り。
 法的な血縁関係が無くなった」
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