Only Three Months
庶民学校で、オレの叔母は有名人。
小さいころからオレの噂を流してたから、
その情報に踊らされる人が多すぎる。


「ホント、なんでこんな可愛い子がマイクのところへ来たんだか。
 もっと選べたらよかったのにね」
「マイクはいい人よ」


アリスが、反抗する。
できるだけ、聞き流して欲しいところではある。


「今は、でしょ?
 扱い知ったら嫌になる」
「ふたりだってまだ会って日が浅いんだ。
 あんまり踏み込むなよ」


威圧感のある低い声。
エドが、イラついてる。
負の感情を見せることは少ないのに。

それに一番驚いていたのは女たちで、
それ以上何も言わずにオレたちから離れていった。


「…ありがとう」
「なんかあのままだと危なそうだったから。
 マイクも下手に言えないし」


本当に、一緒に居る相手がエドでよかった。

女たちが離れたからなのか、アリスに人が集まってくる。
あいつらのせいで質問攻めできなかったってとこか。


「アリス、何でマイクのところに?」
「ごめんなさい、あまり話したくないの」
「これから仲良くしようね!」
「よろしくお願いします」


模範解答というか、受け答えが丁寧でおっとりした印象。
オレと話してるみたく砕けてはない。


「アリス、連絡先交換しようよ」
「え」
「携帯、持ってるでしょ?」
「私、持ってないの」


アリスは微笑みながら断った。
本当はサーが契約してくれて持ってるけど、オレが持ってる。
アリス自身は持ってない。

今まで携帯を持ったことがなくて、使えないからって。
みんな携帯が使えるこの時代に、携帯を使えないアリスが学校に着たら。
アリスが自分である程度使えるようになるまで、オレが管理の方が安心だ。
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