Only Three Months
「そうだな、マイクに見られたくないものだってあるよな」
本当に、こいつらは嫌い。
下着とか、そういうもののこと言ってんだろ?
確かに、同年代の実物を見たことはなかったけど。
正確には、アリスがオレにその管理すらも任せてるんだ。
反論は、しない。
したら、ボロが出そうだ。
「じゃ、今度また落ち着いてそうな頃に誘ってもいい?」
「行けるかは分からないけど」
「そっか、じゃとりあえずまたね!」
男たちがあっさり引いていくから、何事かと思って、視線の先を見る。
エドが、睨んでた。
「明らかにアリス嫌がってるのに」
「ありがとう、エド」
こういうとき、エドには敵わないって思う。
今日初めて会ったのに、アリスが嫌がってるのを感じ取ってしまう。
この学校の男はたいてい、ストレスを女で解消しようとする。
だから、オレとエドが余計に浮くんだ。
学年トップと次席の成績で、そういうことをしない超優等生。
オレに関しては、タキシード着ないとか、嫌なことはしないから先生からの目はキツいけど。
エドは、本当に優等生。
ふたりとも、女っ気がない。
だから、今、アリスと一緒に居る状況が、注目されるんだ。
☆
「そろそろ、帰ろう」
「そんなに帰りたいの?」
「落ち着かない」
アリスが家の外にいる時間を短くしたい。
これ以上、男に絡まれるのを見てられない。
アリスは、“遊ぶ”ってことの意味を知らないから。
「マイク」
「ん」
帰り道、エドに話しかけられる。
それ自体は別に普通のことだけど、その声のトーンを意識してしまう。
低くて、真剣な。
「ちゃんと、自分のこと話すんだよ」
「…ああ」
「忘れてたなんて言わせないから」
正直、アリスが男に絡まれてたことを考えてた。
すっかり、頭から抜けてた。
アリーは、全部話してくれた。
オレだけ隠しておくのも変だ。