Only Three Months
「早く教えろって」
「黙ってたっていいことないぞ?」


…話したっていいことあるわけないし。
人数が増えてる。
どこかに、外とつながるルートがあるんだ。
それを、早く見つけないと…


「答えたほうが身のためだって知ってるだろ?」
「無視すんなって言ってんだよ!」


向かってきた拳を避ける。
飛んでくる数が多すぎる。


「お前、何してるか分かってんのか?」
「なめんじゃねぇぞ!」


オレはただかわしてるだけ。
手は出してない。

でも、この数を避けるには限界がある。
壁を背にしたかったけど、教室の中へ進んでしまってた時点でそれは不可能で。
周りを囲まれて。
エドがいたら、背中合わせでなんとかできるのに。

これだけ多方面だと、いくつかをかわせてもどれかには当たってしまう。
体勢が崩れたところに、追撃が来る。
この人数に囲まれて追撃されたら、しばらく動けなくなるくらいにはやられてしまう。

動けなくなった間に、手足をロープで縛られる。
抵抗しても、身体が思うように動かない。


「何だよ、その目」
「刃向っても無駄なのにな」
「うっ…」


腹を思いっきり蹴られて、意識が飛びそうになる。
子の短時間で肩で息をしてる。
前より、弱くなったかもな。

手足を拘束されたまま引きずられて、机の山の後ろに追いやられる。
積まれた机の山をオレに近づけられて。
目線が下な分、何が起きてるのかが見えない。

頭を殴られるのは避けられたから、視覚も聴覚も割と機能してる。
このままここで少し休めれば、身体はまた動くようになってくるだろう。
とりあえず、出血はしてなさそうだし。


ロープが外れないか、試してみる。
これでも、国王選抜の特別編成授業に参加できるくらいの学力と体力はある。
その授業に、戦闘訓練とかサバイバル訓練があったなんて、行ったオレとエドくらいしか知らない。
…素人の結びなんて、コツさえ知っていればすぐに解ける。
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