Only Three Months

「…離せよ」
「エド、その状況で、何ができる?」
「最低だな」
「こんな可愛い子と一緒に住んでるマイクのが最低だろ」


音を立てずに立ち上がって、机をずらす。
そのまま5人くらいの男を気絶させる。
人数さえ限られていれば、倒れさせることなんてどうってことない。

それに気を取られたエドを掴んでる男。
隙をエドは見逃さないし、オレが狙った隙でもある。
エドが男を振り払って、やっぱり一撃で。

ボスらしき人物からアリスを引き寄せる。
その一瞬で、エドが3人を倒して。
アリスの服は乱されてて、身体は震えてた。


「とりあえず、ここ出よう」
「アリス、オレの方おいで?
 マイクもキツそうだから」


…エドにはバレてるか。
震えが止まってないアリーを渡すのは気が引けた。
でも、今のオレはアリーを支えて歩けるほどの身体じゃない。


「ごめん、大丈夫だから。
 エドは何もしないから」
「背中、乗って」


エドに背負われたアリーの背中をなでてあげる。
外されてるスカートのホックが見えたから、はめてあげて。
…あいつら、許せない。

教室に一旦戻って、オレ、アリス、エドのかばんを持つ。


「マイク、大丈夫?」
「これくらい平気」


エドが荷物を持とうとしてくるけど、アリスを背負ってもらってるし。
アリスは、エドの背中に顔を埋めたまま。


「マイク、手当どうする?」
「自分でする」
「オレん家寄る?」
「寄らない」
「ならせめて送らせて」


エドが、玄関までついてきてくれた。
エドがいなかったらと思うと、怖い。


「エド、ありがとう」
「うん、何かあったら連絡よろしく」
「ん」


エドが帰って行って。
アリーが部屋の中に入って。


「着替えてくる」
「え、うん」


てっきり、抱き着いてきて泣くかと思ったのに。
…オレの心配なんて、しなくていいのに。

ベットに座ってしまったら、もう動けない。
少し、休まないと。
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