Only Three Months
「…マイク、ごめんなさい。
これ以上、あなたに迷惑をかけられないわ」
…アリーの、正義感。
オレにはどうすることもできない。
サーも、エドも何もできない。
自分を犠牲にしてしまう。
城に帰ってからされることは分かってるのに。
それが分かってても止められない。
「私はアリシアよ。
このヴィクトリア王国の王位継承者、アリシア・バイオレットよ」
誰もその場から動かない。
あっけにとられて誰も動けないんだ。
アリーが役人によって廊下に連れ出されるのを、見てるしかなかった。
サーが、何もするなって目線を送ってくる。
役人のひとりが、オレに話しかける。
「…このことが、重罪なのは分かっているな?」
「はい」
知らないわけがない。
城の内部事情を知らなければ、真っ先に帰してる。
それができなかったから、こうして必死で隠してたんだ。
「…ジャクソン宛に、通知されるだろう」
「分かりました」
本来なら、現行犯で連行されるはず。
なぜ、オレが連行されないのか。
考えられる理由は、サーの養子だから。
アルバート関係者には例外があるのかもしれない。
「よく逃げ回ったものだ、この小娘が」
「っ…」
跡が残りそうな、腕の掴み方。
役人の言葉に違和感を感じる人が、この場にどれだけいるだろうか。
「国王様がお怒りだ。
お仕置きを覚悟して帰るんだな」
エドが顔をしかめる。
反応してしまったんだろう。
役人たちは、アリーが城で何をされていたのか知っているんだろうか。
監禁されてると思ってるだけだろうか。
オレと会う前より酷いことになる気がするんだ。
アリーが、逃げていたから。
国王は、もっとアリーを自分の手元に置こうとするだろう。
せっかく、傷も治ってきてたのに。
連れて行かれるアリーが、振り返る。
オレと、目が合う。
溜まった涙を、流すことはきっとない。
これ以上、あなたに迷惑をかけられないわ」
…アリーの、正義感。
オレにはどうすることもできない。
サーも、エドも何もできない。
自分を犠牲にしてしまう。
城に帰ってからされることは分かってるのに。
それが分かってても止められない。
「私はアリシアよ。
このヴィクトリア王国の王位継承者、アリシア・バイオレットよ」
誰もその場から動かない。
あっけにとられて誰も動けないんだ。
アリーが役人によって廊下に連れ出されるのを、見てるしかなかった。
サーが、何もするなって目線を送ってくる。
役人のひとりが、オレに話しかける。
「…このことが、重罪なのは分かっているな?」
「はい」
知らないわけがない。
城の内部事情を知らなければ、真っ先に帰してる。
それができなかったから、こうして必死で隠してたんだ。
「…ジャクソン宛に、通知されるだろう」
「分かりました」
本来なら、現行犯で連行されるはず。
なぜ、オレが連行されないのか。
考えられる理由は、サーの養子だから。
アルバート関係者には例外があるのかもしれない。
「よく逃げ回ったものだ、この小娘が」
「っ…」
跡が残りそうな、腕の掴み方。
役人の言葉に違和感を感じる人が、この場にどれだけいるだろうか。
「国王様がお怒りだ。
お仕置きを覚悟して帰るんだな」
エドが顔をしかめる。
反応してしまったんだろう。
役人たちは、アリーが城で何をされていたのか知っているんだろうか。
監禁されてると思ってるだけだろうか。
オレと会う前より酷いことになる気がするんだ。
アリーが、逃げていたから。
国王は、もっとアリーを自分の手元に置こうとするだろう。
せっかく、傷も治ってきてたのに。
連れて行かれるアリーが、振り返る。
オレと、目が合う。
溜まった涙を、流すことはきっとない。