Only Three Months
「混乱させてすまない」


同じような本が何冊も乗った台車を押しながら、サーが戻ってきた。
近い位置に3人が座って、サーが話し始める。


「まず、エドの両親がここにいる理由だが、この本を持ち出すためだ」
「これは…」
「マイクの父親の日記だ」


…オレの、父親の、日記。
いったい、何年分なんだろう。
何冊もあるけど、全部読んでみたい。
オレの父親は、いったいどんな人だったんだ。


「マイク、黙っていてすまなかった。
 僕たち夫婦は君の正体をずっと知っていた上で、接していたんだ」
「…どういうこと?」


エドの父親がオレに謝ってる。
オレの正体って?
エドすら、自分の父親の言うことが理解できていない。


「エドとマイクは、こうして一緒に過ごすことが生まれながらに決まっていた。
 マイクの父親の執事を、エドの父親がしていたから」


執事?
サーの言うことも、言ってることは分かっても状況が理解できない。
日記に挟んであった封筒を、オレに渡す。


「理解できないのも承知の上だ。
 その手紙を読んだ後に、質問に答えてやれる。
 私たちも、その内容を見たわけではないから、先に手紙を読んでくれ」


とにかく、理解できないことが多すぎる。
サーの言う通りに、厚みのある中身出して、広げる。


「マイクへ」


エドも一緒に読むし、大人たちも内容を見たわけではないらしいし。
自分でも黙読だけで理解できると思わなかった。

一体、オレの何がこの手紙に書かれているんだ。
アリーがいなくなったこのタイミングで、アルバート城で知ることなのか?
アリーのことを意識しすぎなくて済むのは救いかもしれないけど…
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