Only Three Months
夜の空を見るのは今でも好きだ。
星が光っているのを見ていると、時間を忘れる。
母親の姿が見えたことはないけど、空を見ていると落ち着くのは確か。


“レネの命日で、気分が落ち込んで誰にもどうすることもできない日になると思っていた。
 だが、マイクを見ていると変わった。
 状況を全て把握できているわけではないのに、とても優しい子だ”


今でもそう言ってもらえるんだろうか。
アリーに関しては、そうかもしれない。
学校とかではひねくれた性格だと思われてるから、言われないけど。


“マイクは今日も賢かった。
 他国でも評判だと聞いている。
 年の割におとなしく、空気が読めると。
 マイク自身が意識しているとはとても思えないが、
 気にせず自分のペースで成長してくれたらそれでいい。
 周りの言葉に踊らされる必要なんてない”


「ホント、よくできた子だったんだね」
「たぶんしたいようにしてただけ」


1歳のオレに、意識して空気を読むスキルはなかっただろう。
ただ、その場の大人の雰囲気とかでしたいようにしてた可能性はある。

ドアがノックされて、エドとふたりで見る。


「入ってもかまわないか」
「はい」


サーが入ってきた。
オレたちが座ってるベットの端に、サーも腰かける。


「もう3冊目か」
「読み飛ばしてるので」


大切な記事は読むうちに分かってきてた。
短期間で読み切ってしまいたい。
オレが、この城にいた期間のことを。


「サー、マイクってどんな子どもだったんですか?
 サーなら知ってるんでしょう?」


エドが聞いた。
サーは、少し答え方を考えてから、話してくれた。


「…マイクはよく、アリーと比較されてたんだ。
 成長が遅れてるって言われてね」
「え」
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