Only Three Months
何冊もあったアルバムを見終えて、エドが片づける。
オレは、隣にあった箱を開けてみた。
予想はしてたけど、中にはアルバムに出てきた積み木やボールが入ってる。
「使い込まれてるね」
オレが使ってたボールを握ってみる。
今では片手で持てるこのボールも、写真では両手。
確実にオレが遊んでたボールなのに、記憶にはない。
「マイク」
「ん」
「別に、思い出さないといけないことないよ」
「え」
何を言いだすのかと思えば。
無意識に思ってしまっていたことを、言い当てられた。
「思い出せないんでしょ」
「ああ、部屋に見覚えはあるけど」
「3歳までの記憶なんて、しっかり覚えてる方が珍しいよ」
「そうだな」
それは確かなこと。
でも、オレが叔母と暮らすまでの間、ここではいろんな人に育ててもらってたんだ。
あったかい雰囲気が写真から伝わってくるくらい、いい人たち。
積み木を組み上げてみる。
写真では鮮やかな色をしていたけど、本体はすっかりくすんでしまっている。
「…オレ、覚えてる」
「え?」
「そうやって、マイクはひとり遊びが好きだったんだ。
だから、オレはこうやってこのボールを持って、マイクがオレに興味を示すのを待ってた」
エドは、覚えてるんだ。
残念だけど、オレにはない記憶。
正直、うらやましい。
そういうエピソードのひとつでも、思い出せたらいいのに。
せっかく、オレがここで生活してたのが分かったから。
今も昔も変わってない。
基本的に、オレはひとりでいるスタンスだから。
エドからオレを誘ってくるのは変わらない。
ドアがノックされて、思考が途切れる。
「エド、マイク、ここにいるの?」
「うん、いるよ」
エドの母親の声だ。
「もうすぐ出ようと思うの。
出てこられる?」
「分かった、すぐ行くよ」
とりあえず片づける。
きっと、また来ることになる。
これから、両親の墓へ行く。
このざわざわした気持ちが、落ち着けばいいけど。
オレは、隣にあった箱を開けてみた。
予想はしてたけど、中にはアルバムに出てきた積み木やボールが入ってる。
「使い込まれてるね」
オレが使ってたボールを握ってみる。
今では片手で持てるこのボールも、写真では両手。
確実にオレが遊んでたボールなのに、記憶にはない。
「マイク」
「ん」
「別に、思い出さないといけないことないよ」
「え」
何を言いだすのかと思えば。
無意識に思ってしまっていたことを、言い当てられた。
「思い出せないんでしょ」
「ああ、部屋に見覚えはあるけど」
「3歳までの記憶なんて、しっかり覚えてる方が珍しいよ」
「そうだな」
それは確かなこと。
でも、オレが叔母と暮らすまでの間、ここではいろんな人に育ててもらってたんだ。
あったかい雰囲気が写真から伝わってくるくらい、いい人たち。
積み木を組み上げてみる。
写真では鮮やかな色をしていたけど、本体はすっかりくすんでしまっている。
「…オレ、覚えてる」
「え?」
「そうやって、マイクはひとり遊びが好きだったんだ。
だから、オレはこうやってこのボールを持って、マイクがオレに興味を示すのを待ってた」
エドは、覚えてるんだ。
残念だけど、オレにはない記憶。
正直、うらやましい。
そういうエピソードのひとつでも、思い出せたらいいのに。
せっかく、オレがここで生活してたのが分かったから。
今も昔も変わってない。
基本的に、オレはひとりでいるスタンスだから。
エドからオレを誘ってくるのは変わらない。
ドアがノックされて、思考が途切れる。
「エド、マイク、ここにいるの?」
「うん、いるよ」
エドの母親の声だ。
「もうすぐ出ようと思うの。
出てこられる?」
「分かった、すぐ行くよ」
とりあえず片づける。
きっと、また来ることになる。
これから、両親の墓へ行く。
このざわざわした気持ちが、落ち着けばいいけど。