Only Three Months
Friends
サーとサーの奥さん、エドの両親、それからエド。
みんなでリムジンに乗って、しばらく森を進む。

この城の周りも、散歩してみたい。
窓の外を眺めながら、そんなことを思ってた。
それでも、落ち着かなかった。


「ここからは少し歩くぞ」


車から降りて柵を見ると、“アルバート所有地”と書かれた看板が。
サーの後ろについて柵の中へ入る。

左右に墓が並ぶ通りを進む。
アルバートの貴族たちの集合墓地なんだろうか。

どんどんと奥へ進むサーを追いながら、並ぶ墓石を見て思う。
両親に会いたいって小さいころはよく思ってた。
エドがうらやましかった。
でも、墓へ行くって発想はなかった。
叔母に聞いても、教えてくれないって諦めてたからかもしれない。


サーが立ち止まって、手でオレを誘導してくれた。
ふたりの名前を確認する。

みんなが目の前に立ちたいのは分かるし、邪魔になるのも分かる。
それでもオレは、墓の前にしゃがんだ。

何を話していいのか分からない。
両親は、空から全てを見ていてくれているのだろうか。

アリーと出会っていなければ、オレは自分の正体を知らないまま生活していただろう。
サーからオレへの接触がなければ、きっとそうだった。
こうして、両親の墓へ来ることもなかったはずだ。

両親がオレの言葉にどう返してくれたのかは分からない。
きっと、両親と少しでも話した記憶があれば、声も聞けたのかもしれない。


そんな時間も長くはない。
オレの周囲が騒がしくなってくる。


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