Only Three Months

「サー！！」
「急な誘いですまない」
「問題ない。
　この日をどれだけ待ったことか」


エドの隣に戻る。
両親とゆっくり話ができる状況じゃなくなったから。
知らない人たちが大勢。


「マイク、こちらへ。
　この人たちは、マイクをずっと待ってた人たちだ」
「つまり…」
「アルバートの貴族だよ。
　きっともう僕の顔も覚えてないだろうな。
　よろしく、マイク」


代表らしい人と握手した。
貴族たちがオレを取り囲んで、オレとしゃべろうとしてくる。


「レネに似てるわね、かっこよくなって」
「ダニエルにも似てるわ、口元とかそっくりよ」
「一緒に遊んだの覚えてないか？」
「3歳だったんだ、覚えてないだろう」


オレは、ここにいる全員と会ってるはずだ。
アルバートの王子で、みんなは貴族だったから。
正式に紹介されてるはず。

誰のことも覚えていないけど、それが当然だと思ってくれてるのはありがたい。
みんな、オレのことを知っていて、オレが戻ってくるのを待っていた。
感じたことのない、あったかい感じが広がる。
初めて会う人たちなのに、なぜかそんな感覚を知った。


「ところでマイク」
「はい」


貴族に囲まれていたオレに、サーが声をかける。



「マイクがよければなんだが、今日城でマイクの歓迎会をしようと思うのだが」
「エドも含めてなら」


どうしても、正統王位継承者がちやほやされる。
学校では、オレよりエドがこういうポジションだったんだ。

エドがいつもみたいに話しかけてこないのは、気を遣ってる。
それが嫌だった。


「エドって、エド・ケリーか！」
「エドも大きくなって」


みんなの意識がエドにも行く。


「もちろんだ、エドも歓迎するに決まってるだろう」
「ありがとうございます」


全員がオレの両親にあいさつをして、城に戻った。
女性陣が料理を作っている間、男性陣で広い客間にテーブルとイスを用意した。
その間に、いろんな話を聞いた。