ノラと呼ばれた男【壱】
「お前……搖の事、どこまで知ってんだ?」
と、問われ。
自然と俺は首を傾げた。
‘’どこまで‘’って、何にたいして?
それとも、‘’搖‘’が周りに見せてる‘’裏の顔‘’のこと?
「さぁ、……どこまでかな」
「食えない奴だな」
「そ?先生には負けるよ」
でも、‘’知ってる‘’内に入るかは別として、
最初、搖と会った時は……
「怖い、と思ったよ」
一線すら越え。躊躇うことすらしてしまう男。その表情はいっそ清々しい
あの男の足下には何人……いや、何十人の死体が転がったのか、と本気で思う程には‘’怖い奴‘’と……
少なからず、1回は認識したが
「…………それで、よく一緒にいるな」
「まぁ、途中から搖のキャラが崩壊しちゃったし」
離れるどころか、お世話になった黒歴史
まぁ。詳しい話しは置いといても、
「それに搖が搖だったから、かな」
冷徹で、冷酷で、残酷なほど優しい搖だからこそ……一人にはしたくなかったし