ノラと呼ばれた男【壱】
正直に言えば、行きたくないですハイ

誰得だよ。






つか、このメンバーで入るの?ねぇ?


端から見たら、男三人にしか見えませんけども。で、買うのは女ものの服って何プレイだよ


寧ろ罰ゲームにしかなんないんだけど






「まぁ、俺は一華の服買うのが目的なわけだし…入るっしょ?」



何、当たり前の事、聞いてんの?みたいな顔やめろ

入るなら一人で入って下さいお願いします




「あー……俺、ここで待ってる」



「は?いやいやいや、ハニーの服買いに来てんだってば


見なきゃ分かんないし、行こ」






と、拒否る俺の手を遠慮なしに引っ張る搖


ちょっ、ちょっっっ、まっ、












「ま、まだ心の準備があぁぁぁぁぁ!!!!!!」



などと言う、俺の無駄な抵抗は無駄に終わり。ずるずると引っ張られて入ったオゾットは、


優しい笑顔で店員さんが迎えてくれた









そして、会計時、



「彼女さんにプレゼントですか?」


と、頬を赤らめながらラッピングをする店員さんに、

搖は…………………………、



「ん?……嗚呼、こいつにね」







と、爆弾発言を落とし。

俺が目を見開いたのと、ほぼ同時に青ざめた店員さんが深々と頭を下げた






「も、……申し訳ありませんっ、



彼氏さんへのプレゼントだったんですね頑張ってください!!」








と、私に可愛らしいラッピングを店員さんが押し付けた。



……………………は…………?


かれ………………………………し、













って、ちょっと待て、誤解されてる誤解っ





それじゃあまるで………………、



「男同士の愛、応援してますね!」










パープル世界の住人じゃねぇかオイ
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