ノラと呼ばれた男【壱】
そう、思うのも無理はなく、



エレベーターから出てきたのは、見知った顔、














‘’覇王‘’の彼等だったから、だ



こんなとこで鉢合わせ、なんて笑えない


普段の私は、もう顔バレしてるし。

下手に‘’こっち‘’の顔は見せられない。隠していたい、ってのが本音











気づくなよ、なんて念を送りながら、



真横をすれ違う―――――――――――――――――…












「ね、あの情報本物かな」



情報……?ふと、耳に入ったのは藍の声

なんの話しか気になって、無意識にも耳はそっちに行っていて、




「デマ、かもな」


と、呟いたのは時雨だった。

何かを探してる、みたいな会話







‘’ここ‘’に、何かあったっけ?


と、頭をフル回転させるが、分からず









その答えを口にしたのは迅だった



「さぁな、……違うかもしれねぇ







でも、‘’ノラ‘’なら……会いたい」










と。どうやら彼等が探してるのは……




俺、らしい
< 108 / 168 >

この作品をシェア

pagetop