ノラと呼ばれた男【壱】
瞬間、


タイミングよく、乗ったエレベーターのドアが閉まった――――――――――……











「バレなくて良かったな」



「うん、……って、竹松先生にも気付いて無かったよね」



そう突っ込めば、「備えあれば憂いなし」とかいいながらサングラスをチラつかせた


どうやら、掛けて誤魔化したらしい






それ、似合うの竹松先生と搖くらいだよ


あ、でも見方を変えるとヤーさんみたい(笑)









「まぁ、この姿で近付いても気付かれない自信はあるけどさ……心臓に悪い」


カラコン取って、髪さえ染めれば多分

と言うか、絶対バレないよね






「あいつらに、隠しとくのか?」



「ん。……巻き込みたくないし」







てか、その前に「ノラでっす」とか言っても信じてもらえない気がする←


それに……………………、






‘’知らないほうが幸せ‘’って事もある









「あ、そー言えば……あれってわざとかハニー」



「ん?あれって、どれ?」



首を傾げれば、搖が「さっきの喧嘩」と付け足した。

嗚呼、さっきのアレかぁ



「いや?たまたま助けたら、



……絡んでた奴等が爛だっただけ」











ま、お陰で‘’あいつら‘’に口実を作れた訳だけど



殺られたアイツらは、きっと言うはずだ


あの時、‘’わざと‘’搖が「ノラ」と呼んだお陰で名乗らずに済んだ訳だし、







‘’ノラ‘’に喧嘩を売る口実は作れた


後は相手の出方を待つだけ










嗚呼、楽しみだな…………少しは……、





楽しめるだろうか………………?


無意識にも、ニヤリと上がる口角。

早く暴れたいな、なんて口にはしないが

きっと搖にはバレてるな(笑)








などと、内心。一人でノリ突っ込みしていれば、乗る前と同様に「チン」と音がして、駐車場へと着き、


はたと、忘れて居たことを思い出す






「明日……学校かよ」



うん、忘れてましたよ。当たり前じゃん

課題してな……←ぇ







まぁ、なんくるないさ←笑
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