ノラと呼ばれた男【壱】
なんていう予想は的中し、
後ろから鼾と寝言と、時たま歯軋りが聞こえてきて…うるせぇ、(自主規制)
失礼しました、賑やかです←
一時間目だけ寝るんじゃなかったの?
もう、二時間目終わりましたけど(笑)
しかもさ?全員全滅ってどうよ←
それならまだしも、私の真後ろの誰かさんは私の制服掴んだもんが放しませんけども、トイレ行きたいっ
「あ、……あの……姫川さん、今日出す課題集めてるんだけど、」
と、小声で話しかけてきたのは黒寄りの茶色に髪を染めた、
えっと……田中くん、だったかな?
確かクラス委員の子で、
クラスの中では、どちらかと言えば落ち着いたグループにいる……とこをよく見掛ける
「あ、うん……出してくれるの?」
「うん、これもクラス委員の仕事だからね」
そう言いながら、はにかみ、押し付けられたらしい他のノートたちの上に私のノートを乗せ、
ふと、田中くんの視線が彼等に向いた
「すごいね、姫川さんは」
「え?……なにが?」
問えば、白い頬を赤く染め、ノートで顔を隠す。
自然と立っている田中を見上げる形になったのだが、
これが世に言う、上目遣いだということには気付かず。首を傾げれば、
ますます彼の顔が赤くなる
「あ、……あ、あのっ、可愛いですねっ」
「へ?」
「あ゛……あ、…………じゃなくて、…………あのっ、今のは違くて、
あ、……あんまり皆さん、人前では寝顔みっ、…………見せないので」
と、噛み噛みで言われたのは、
机の上に突っぷしてる彼等の事だった