ノラと呼ばれた男【壱】








何いってんの、お前。って、多分顔に出ていた事だろう

お陰で、再度クスクスと笑われた

なんか…うん、言っていいのか分かんないけど拍子抜けしまくってます、私。



だって、相手、こんなに無防備だし、

‘’あの時‘’と雰囲気違うから、



あ、嫌、違うか。この男は最初から私には‘’この笑顔‘’だ









「素直な反応って堪らないですよね」



「脳外科行きなよ」



「ふふ、意地悪ですね貴女は」


肩を竦めて見せるものの、行動と表情が異なり、やはり楽しげに笑む

てゆーか、寛いでていいんかな

だって、此処に来た目的が「私」だと黄島 塁は言ったわけで、




「……で、私に何か用?」



「聞きたいですか?」




「用件聞かないとアンタ帰んないでしょ」








呆れて息を吐けば、奴は「それもそうですね」と頷き、


座っていたベンチから腰を上げ、そのまま私の前へと立つ

そして、ゆっくりとした動作で…………、



























肩膝を地面につけて、頭を垂れた―――――――――――――――――…
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