ノラと呼ばれた男【壱】
迅の小さ過ぎず大き過ぎずの声が、場を支配した
そして、その数秒後、
‘’は…………?……………………え?乱鬼って、‘’
‘’……俺らに喧嘩売ってるとこだよな‘’
‘’なんで、迅さんと乱鬼が……………………‘’
下っ端くんらに動揺を与えた。
が。けれど、その動揺を解いたのは他でもない………………………………赤鬼と青鬼で
ゆっくりと膝を付き、頭を下げた
所謂「土下座」で。
その場にいた私以外が驚愕したのは言うまでもない。
その間、彼等(赤鬼、青鬼)は何も語らず、何も言わず。ただ静かに、頭を下げている。
言い訳は必要ない、とでも考えているのだろう。彼等らしいけど……極端過ぎる
不器用だなぁ。と、思いながら、
迅たちに視線を移せば――――――――――――……
「これは、俺の我儘なんだが……
こいつらと協定を結びたい」
と。全員に視線を配る迅と、
「質問がある奴、いるか?」
と。腕を組んでふんぞり返る時雨。