ノラと呼ばれた男【壱】
――――――――――――……ガラッ










と、不意に目の前のドアが開く。




ドアを開けた張本人はキョトンとした顔で、首をコテンと傾げ、



「おはよ、入らないの?」



と、上目使いで見てくる女子力高めな男子は翠原 藍でよく「アイちゃん」と他クラスからも呼ばれている一人。



スカートを穿かせれば、即行ナンパされるくらい可愛い容姿で。








男子生徒からの人気もあるらしい









「あ、うん……入る」



慌てて教室に入れば、ドアを開けた翠原 藍がクスクスと笑っていて、




「ドアと睨めっこしても自動じゃないからね、姫♪」


「あ、はははっ、ですよねー




あのさ……出来ればその‘’姫‘’って呼ぶの止めよ?」








いつからだろう、彼が私を姫と呼ぶようになったのは…………昨日?



一昨日だっけ?も、忘れたわ←



「えー、可愛いのに?」


「あだ名がメルヘンすぎるな」


「まぁ、確かに可愛らしい呼び方ではありますよね」







そう言って会話に入ってきたのは、


他クラス、教師にも人気の方々で。

さりげに藍を貶したのは赤崎 時雨
で、フォローに入ったのは凉白 音羽






そしてもう一人…………………………、




「遅かったな、姫川」


先程まで傍観者側にいた、黒瀬 迅








言うまでもなく彼等、世に言う【イケメン】というアレらしい



そんな私が彼等と知り合ったきっかけは――――――――――――……
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