ノラと呼ばれた男【壱】
◆◆◆

【姫川side】







迎えに来てくれた時雨、迅、羽音は。


以外にもバイクではなく、

長い、というかとてつもなく大きな車で来てくれて、





呆然としていた私に、


「どーした、はよ乗れや」


偉そうに腕を組ながら、そう言ったのは時雨で。え、まさかコイツの車か?と思った私に、



「偉そうに言ってるけど、これ羽音ん家のだかんなぁ?」




「うるせぇなチビ」







まさかの展開。

偉そうにしてて、車、羽音のかよ!笑





てか、ナイス突っ込みだわ藍。


うっかり時雨=金持ちかと思ったじゃん






「姫川。…ちょっといいか」



藍と時雨のバトルを遠目に見ていた私に、迅が声をかけ、横に来る。


何だかんだで、車に乗れとかほざいてた時雨も降りて藍とイチャイチャ?してるし……楽しそう






そーいや、マジの喧嘩…最近してないなぁ




「うん、どうしたの?」



「……」



「迅?」







じっと、私の顔を見てから、



ふっ、と優しく微笑むから―――――――――――……、








「ありがとな…アイツの側、居てくれて」



「うんん、私は何もしてないよ」
< 65 / 168 >

この作品をシェア

pagetop