ノラと呼ばれた男【壱】
「うん、ありが……………………ん?」
あれ?……今………………名前呼ばれた?
幻聴かしら←
もしくは白昼夢か…って、しっかり起きてますけどね(笑)
「もしかしたら、これから巻き込むかもしれない」
「……?」
「今なら…無かった事にも出来る」
それって、つまり………………、
「絶対守ってやる、とは言い切れない」
「…………うん」
つまり迅が言いたいのは………………、
「俺たちと居る事が危険で、狙われる」
「うん」
知ってるよ、そう言う世界で生きてきた
だから白と黒の世界だって見てきた
多分ね、迅たちや学校で私を‘’姫川さん‘’呼ばわりしてる人達が思う以上に私は…………………………、
「ね、迅?……覇王って良い所だね」
「あ?」
ポカンとした表情は、きっと私のせい
だって脈絡もなしにシリアスな話の途中で、私は満面の笑み
「素直にね、好き…だと思ったの」
「……」
「迅も同じでしょ」