ノラと呼ばれた男【壱】
え、…………は?
なんで竹松先生、ここに居んの!?
「ちょ、ちょ、……ちょっと待ったっ」
ちゃっかり部屋に入った二人の後を追い、私も部屋に入れば、
搖は冷蔵庫を開け、乾燥機の中からコップを取りだし勝手に注ぐ。
で、竹松先生は先程まで私が座っていたソファーに座り、足なんて組んじゃって雑誌を読んでるんだけど、
ねぇ、その前にこの状況の説明なし!?
「まぁ一華も、寛いで」
「いや、の前に、ここ私ん家」
「まぁまぁ細かいこと気にすんなって♪」
いやいやいやいや、気にするよ!
「あのさ…………取り合えず、1ついいかな」
「ん?何、ハニー」
一瞬、その‘’ハニー‘’って言葉にイラッとしたものの、
顔には出さず、今、一番気になっていた事を口にした。
「二人って知り合いだったの?」
と。細かい事は置いといても、二人って接点ある?竹松先生は教師。搖は元不良
どう考えても二人が‘’知り合い‘’と言うのが不自然で、
「知り合いって言うより、同僚だし」
「…………同僚…………?」
え、待って。なんか嫌な予感が……、
「搖はうちの理事長」
「…………まじか」
嗚呼、それで………………、
‘’お前、理事長には会ったか‘’なんて聞いて来たのか
なるほどね。…なんか、だんだん飲めてきた。
「…………で、こんな時間にどうしたの?」