ノラと呼ばれた男【壱】
溜め息を吐きながら竹松先生の横に座れば、搖が私の反対側に腰を下ろした。




「待ちきれなくて会いに来た、ってのもホント



んで、後1つ用事があってさ」








多分、こっちが本題かな。


ま、なんとなく予想は付く。だって、このタイミングで来たって事は―――――――――――――……、









「厄介な奴に目ぇ付けられたみたいだしさ、一華が」



「……よく知ってるね」






セルピエンテと会ったのが昨日。


今日、明日は休日で学校が休みだから‘’その‘’情報はまだ知らない筈なんだけど、




「俺、勘とかはいーから」


野生並みの勘をお持ちで←

昔から搖の鋭さには舌を巻いたっけ





てか敵う気がしない。

普段へらりとしてるからこそ、タチが悪い






「んでさ、悪いんだけど…一華」



「ん?」



「お小遣い稼ぎ、してみないか?」
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