ノラと呼ばれた男【壱】
中を覗けば、なんか色々と入ってて。



「え?んーっとね、髪染めるスプレーと、男物のアクセサリー、洋服、催眠スプレー、香水♪



‘’ノラ‘’の時に必要かな~って」






思わず、洋服を広げるが、全てLL サイズ


無駄に龍やら王冠やら、ジャラジャラが付いてて…………言って良いのか分かんないけど、





超私好み!←ぇ


いやぁ、普段着れないしさぁー




「…………でも、なんで催眠スプレー?」









私に‘’これ‘’は必要とは思えなくて、首を傾げれば、


今まで沈黙を通していた竹松先生が、




「もし、動けない状況の時の為に持っとけ」





視線すら合わせずに、そう言われて、


ついつい竹松先生をガン見した私に、搖が付け加えて教えてくれた






「それ、コイツのチョイスなんだよ」



「え、」



「強かろうが、守る道具の1つくらい持たせるべきだって」








………………え、何それ嬉しい。


てゆーか竹松先生はどこまで知ってるの?まさか全部?





いや、まぁ……搖がさっき‘’ノラ‘’って言った時点で知られてる気がする。じゃなかったら、これ渡さないよね?


それでも心配してくれるの?












「ふふっ、…………ありがと、先生」
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