ノラと呼ばれた男【壱】
◆◆◆

てな訳で、只今、ショッピングモールに搖、竹松先生、私で来ました。

電車は嫌だ、と言う竹松先生の意見にて

搖の車で移動して、着いたのは早10分





普通なら20分くらい掛かるのに、どんだけ飛ばしたんだろうね搖様は←

「で、……なんで買い物?」



「んー、……そりゃあ服買うから、かな?」







と、昨日と違う洋服を身につけた搖が苦笑する。


え。それ以上、服いんの?

つか、今、着てるそれ……ブランドじゃん





黒のポロシャツに、獣が引っ掻いた様な模様。前はシンプルで、後ろがお洒落

ジーンズは紺で、所々、肌が見えるが決して洗濯機で回して破れた訳ではなく、そういう洋服で、最近の流行りらしい。因みに腰にぶら下がってるチェーンなんて、搖が付けたらチャラい。と言う言葉は消え、格好いい。に言い換えられてしまうだろう





「……腹減った」


と、朝から同じ言葉を吐いたのは竹松先生で。いつもの気だるさ5倍(笑)

そんな先生の服装は、白色のポロシャツに胸ポケには5センチくらいの小さな眼鏡。玩具ではなく、洋服を買うときに別払いで支払う……と言うか、ワンポイントあって可愛い。

白のシャツに赤が良く似合う。

ついでに言うと、ジーンズは濃い朱色で眼鏡の色に合わせていて、さりげにお洒落さんだ。




「えー……、じゃあ……買い物する前に朝食しとく?」











などと、提案した私は純白の白をベースにワンピースを身に…………………………………………、




身につける筈もなく←ぇ


ジャラリ、と揺れるチェーンのブレスに、ごつい指輪、首には骸骨のネックレス。そして、私が……、いや‘’俺‘’が着ている物は女ものの洋服ではなく、







男物の洋服で、



どこから、どう見ても……………………











お・と・こ・の・こ⭐゛



「言っとくけど、買う服は俺のじゃなくて、you のだよ」



「え゛…………、これ以上、服いらねー」








勿論、普段の私とこっちの俺は正反対


何が?って言われたら、全て。って言うしかないけど、敢えて言うなら、口調、仕草、表情、性格、かな?





だって、俺が女だってバレたら弱みでしかないし。だからこそ、別人である必要があったんだけど……今じゃ、こっちのが楽なんだよね←



「あ、違う違う、一華の服だよ。ノラのじゃなくて」



「……!?待て待て待て、この姿で買えるかっ」







会計に出すどころか、変態に間違われるだろうがっっっっ!!!
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