ノラと呼ばれた男【壱】
その華奢な体は、勢いのまま俺の方に倒れ込み、


そっと片手で身体を支えながら、野郎共に視線を向けた










「……振られたんなら帰れよ」



わざとらしいほどの挑発。流石に、この手には引っ掛かんないか?と、思ったが









「んだとテメェ上等だゴラアァ」



「舐めてんなよ糞ガキがぁっ」







どうやら、俺が思っていた以上に…




単細胞だったらしい(笑)







(3対1、かぁ………………準備運動くらいにはなるか)



指の骨を全部鳴らし終わったのを合図に……









一方的な‘’喧嘩‘’は始まった――――――――――――――……







最初は誰もが見て、‘’不利‘’だと思われた喧嘩。確かに、最初、奴等は押していた。と、第三者らの目には、そう映っただろう。




が、現実はそう甘くなく、





「………………へぇ、お前ら………………爛の人間か」

















全ての攻撃を交わしつつ、‘’それ‘’を見つけて口角が上がった。




全員の肌には蘭の刺青。


洒落た事してんなぁ、と呟くのとほぼ同時に俺の拳は野郎の顔面にめり込む






ボキッ、と言うより表現はバキッッって感じで、













「次は俺のターンな」




目が爛々とする。さっき殴った奴の血が拳に付いてて、鉄臭い。




それを普通の奴等は嫌悪する


















でも、俺は………………………………
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